ヴァシュロン・コンスタンティンが放つ異色作、Twin Beat Perpetual Calendarの正体

ヴァシュロン・コンスタンティンが発表したTwin Beat Perpetual Calendarは、複雑機構とビジュアルの融合を目指した意欲作だ。モダンなデザイン言語を持つ同ブランドが、アート的な表現力を備えた新型を投入することで、複雑時計の美的価値をあらためて問い直している。

二つの動きを統合した心臓部

Twin Beat Perpetualは、その名前が示す通り、複数の動きの仕組みを並行して搭載した設計が特徴となっている。永久カレンダー機構は時計の複雑機構を代表するもので、2100年まで日付の調整を要しない手動巻きムーブメントを必要とする。このTwin Beat版では、その動きをどう視認させるか、どう動きの美しさを引き出すかに開発チームが注力した形跡がある。

ヴァシュロン・コンスタンティンは1755年の創業以来、複雑機構の追求で知られてきた。永久カレンダーウォッチは同ブランドのアイコニックなコンプリケーション機構の一つであり、メティエ・ダルの工房で磨かれた職人技が細部に宿っている。

造形美を優先した盤面構成

ケースの表面から見える盤面の設計が、このモデルの見所の一つだ。複雑機構を詰め込むと往々にして文字盤が混雑しがちだが、Twin Beat Perpetual Calendarは異なるアプローチを取っている。機械要素の配置に際して、視覚的なバランスと動きの確認性の両立を狙った立体的な構成になっているとみられる。

永久カレンダーの各部品、月表示や曜日表示などが盤面上でどう配置され、いかなる素材で仕上げられているのかは、実物を前にして初めて品質の差を感じ取ることができる領域だ。高級時計のコレクターにとって、ミニッツリピーターなどの音声コンプリケーション同様、複雑機構を搭載したピースはハイスペック競争の最前線である。

日本市場での見通し

ヴァシュロン・コンスタンティンの複雑機構ウォッチは、日本の高級時計流通において随一の入手難易度を誇る。永久カレンダーを搭載したモデルは新品定価が1000万円を超える商品帯がほとんどであり、正規取扱店での購入は予約待ちが数年に及ぶケースが一般的だ。Twin Beat Perpetual Calendarも同様の状況が想定され、国内正規流通での手配は極めて限定的になるだろう。

二次流通市場では、実在する永久カレンダーウォッチが定価を大きく上回る相場で推移している。本作も同様に、相場形成後は定価の1.5倍から2倍の水準での取引が見込まれる。投資目線としては、完成度の高い複雑機構と美的洗練さを両立した作品は資産性も高く、長期保有銘柄として機能する傾向が強い。国内での希少性はさらに高まることから、入手機会に恵まれたコレクターの選択肢として機能する一本となる。