アディダスとThe Better GenerationがCreative Anduを起用した理由

アディダスは、コレクティブ「The Better Generation」とクリエイティブディレクターのAndu(Creative Andu)との三者協業により、フットサル・インドアサッカー向けシューズ「Predator Sala」の新作を発表した。タイトルに冠された「Grassroots」という言葉が示すのは、トップアスリートではなく、地域のピッチやストリートのコートで日々ボールを蹴る人々へのリスペクトだ。Predator Salaはアウトドア向けのPredatorラインをインドアコート用に落とし込んだモデルで、ラバーアウトソールとコントロール系のアッパーが特徴的なシリーズとして知られている。

The Better GenerationとCreative Anduが持ち込むストリートの文脈

The Better Generationは、ロンドンを拠点に若いクリエイターやアスリートを支援するコレクティブとして知られており、アディダスとは以前からスポーツとカルチャーを交差させるプロジェクトで連携してきた実績がある。Creative Anduはアフリカ系のバックグラウンドを持つビジュアルアーティストで、DIY的な制作スタイルとコミュニティへの目線を持つクリエイターとして、ロンドンのサブカルチャーシーンで頭角を現してきた人物だ。今回のコラボでは「Grassroots」というテーマをシューズのビジュアルやキャンペーンに反映させており、大規模なスポンサーシップよりも草の根的なスポーツ文化を前景化する姿勢が色濃く出た仕上がりになっている。

Predator Salaというモデルが背負う歴史

Predatorシリーズはもともと1994年にアディダスが発売したサッカースパイクを起源とし、ラバーエレメントをアッパーに配置してボールコントロール性能を高めるという設計で一世を風靡したラインだ。フットサル・インドアサッカー専用のSalaバリエーションはアウトソールをフラットラバーに変更したモデルで、体育館やインドアコートに適した仕様として展開されてきた。2020年代に入ってからアディダスはPredatorをパフォーマンスとライフスタイルの両面で再評価する動きを強めており、ストリートファッション文脈でのコラボが増えている。今回の「Grassroots」バージョンはそのトレンドの延長線上に位置する一足といえる。

日本市場での見通し

アディダスとThe Better Generationのコラボはこれまで日本の公式オンラインストアやセレクトショップで取り扱われるケースが多く、今回のPredator Salaについても同様のルートでの展開が見込まれる。ただし、ロンドン発のコレクティブが絡むモデルは欧州先行リリースの傾向があり、国内での入手難易度は比較的高い水準に落ち着く。過去のThe Better GenerationとアディダスのコラボシューズはSNEAKERSやAtmosなどの国内主要スニーカーショップで抽選販売されることが多く、二次流通では定価の1.2倍から1.5倍程度の価格帯で取引されることが多い。投資目線では短期的なプレミアムは限定的であり、むしろコミュニティへの共感やクリエイターの背景を理解した上でのコレクション的な購入が、このモデルとの向き合い方として自然だ。