砂漠の風景をダイヤルに落とし込む

ド・ベチューンが新作「DB25xs サンド・ウィンズ」を発表した。ブランド名の通り、砂漠の砂紋や風の動きをモチーフにしたデザインで、DB25というラインの特徴であるティアドロップ型ケースに、砂漠の情景を刻み込んだ一本だ。ド・ベチューンは2002年にデニス・フラヴェルとデヴィッド・ロスコートが共同創業したスイスの独立系ウォッチメーカーで、少量生産にこだわりながら独自の天文学的複雑機構やケースデザインを追求してきた。DB25というケースシルエットはブランドの代表的なフォルムのひとつで、これまでも異なるダイヤル表現を施した複数のバリエーションが存在する。

サンド・ウィンズというテーマが意味すること

「サンド・ウィンズ」という名称は、風が砂を動かしてできる砂紋、いわゆるリップルマークの視覚的なイメージを指している。このテーマをダイヤルで表現する際、ド・ベチューンはテクスチャー加工や立体的な彫り込みを用いるアプローチを得意としており、過去作においても素材の表面に手工芸的な処理を施してきた実績がある。砂漠の砂は光の当たる角度によって色が変わり、時間帯ごとに異なる表情を見せる。その現象をダイヤル上で再現しようとするとき、金属の輝きや石素材の質感が重要な役割を果たす。ド・ベチューンの職人が持つ伝統的なスイス時計製造技術と、こうした自然のテーマの組み合わせが、このモデルの見どころといえる。

DB25というプラットフォームの特徴

DB25はド・ベチューンのラインナップの中でも比較的コンパクトな設計の「xs」サイズを今回採用している。ティアドロップ型と称されるケースは、ラグとケースが一体化した有機的な造形が特徴で、手首へのフィット感を重視したシェイプだ。ド・ベチューンは自社製ムーブメントの開発にも力を入れており、独自の球形テンプやシリコン製パーツの採用など、精度と耐衝撃性を高める技術を積み重ねてきた。DB25ラインはそれらの技術を搭載しながら、比較的装着しやすいサイズ感に落とし込んだモデルとして位置づけられる。限られた生産本数と手作業による仕上げが、各モデルの希少性を高めている。

日本市場での見通し

ド・ベチューンは日本国内の正規取り扱い店が限られており、入手難易度はもともと高い。同ブランドの既存モデルは国内二次流通市場において数百万円から一千万円を超える価格帯で取引されることが多く、DB25シリーズも例外ではない。サンド・ウィンズのような限定性の高いテーマ作品は、コレクター間での注目度が高まりやすく、正規価格での入手機会を逃した場合、二次流通での価格上昇が起きる傾向がある。投資目線で見ると、ド・ベチューンは世界的な独立系時計ブームを背景に評価が上昇しており、希少モデルの保有は中長期的な資産価値の維持につながるケースが多い。国内でこのモデルを検討するなら、正規代理店への早期コンタクトが現実的な選択肢になる。