“Steam”という名を持つゴルフ仕様のジョーダン1

ナイキのAir Jordan 1 Lowにゴルフ専用モデルが登場した。今回リリースされるのは「Steam」と呼ばれるカラーウェイで、その名が示すとおり、スチームを想起させる落ち着いたトーンのパレットが採用されている。Air Jordan 1 Lowのゴルフバージョンは、バスケットボールシューズとして誕生したシルエットをそのままコース向けに仕上げたモデルで、ゴルフスパイクのソールを搭載しつつも、ストリートでも通じるルックスを保っている点が特徴だ。コレクターとゴルファー双方にアピールする設計は、近年のスポーツとファッションの垣根を越えたスニーカー市場の流れを反映している。

Air Jordan 1 LowがゴルフシューズになるまでのNikeの動き

NikeがAir Jordan 1をゴルフシューズとして展開するようになったのは2010年代後半のことで、当初はハイカットのAir Jordan 1 Retro High OGゴルフモデルからスタートした。その後、ローカットバージョンにも同様の展開が広がり、タイガー・ウッズのブランドイメージとジョーダンブランドをかけ合わせた「TW x AJ」シリーズなど、本格的なゴルファー向けラインナップが充実していった。ゴルフという競技の性質上、長時間の歩行と安定したスタンスが求められるため、ゴルフ仕様モデルにはアウトソールにスパイク加工が施されており、通常のスニーカーソールとは構造が異なる。それでいてアッパーのデザインはオリジナルのAir Jordan 1に忠実で、コレクション性を損なわない仕上がりになっている。

「Steam」カラーウェイが持つデザインの文脈

「Steam」という名称は、霞や水蒸気を連想させるニュートラルなグレー系のトーンを指すことが多く、スニーカー市場では近年こうしたアースカラーやモノトーン寄りのカラーウェイへの需要が高まっている。派手な配色が続いたジョーダンブランドの中にあって、抑えたトーンのモデルはゴルフウェアとのコーディネートがしやすく、実用面でのメリットも大きい。コースでの着用を前提とした場合、主張しすぎないカラーリングは実際のゴルフラウンドにもなじみやすく、スポーツ用品としての完成度を高める要素にもなる。ゴルフという保守的な文化圏に向けて、Jordan Brandがどのようなカラー戦略を取るかは、今後のラインナップを読む上でも興味深い視点だ。

日本市場での見通し

国内でのAir Jordan 1 Lowゴルフモデルは、Nikeの公式サイトやセレクトショップ経由での販売が中心で、限定性の高いカラーウェイは発売直後に完売するケースが多い。二次流通市場では、通常のスニーカーモデルと比べてゴルフシューズは流通量が少ないため、定価を上回る価格で取引されることが珍しくない。「Steam」のような落ち着いたカラーウェイは幅広い層に受け入れられやすく、特に30〜40代のゴルフを嗜むコレクター層からの需要が見込まれる。投資目線で見ると、ゴルフモデルはスニーカーのみのコレクターと、ゴルフ用品として実際に使うプレーヤーの両方が市場に参加するため、流通在庫が少ない状態が続きやすい。国内の二次流通では定価の1.2〜1.5倍前後の価格帯で推移する傾向があり、入手を検討するなら定価での購入機会を逃さないことが重要になる。