adidasとBAPEが2026 FIFAワールドカップに向けて動いた理由
adidas OriginalsとA BATHING APE(BAPE)が、2026年FIFAワールドカップを記念したカプセルコレクション「Teamgeist」を共同リリースした。Teamgeistとはドイツ語で「チームスピリット」を意味する言葉で、adidasがサッカーの文脈でこの言葉を使ったのは2006年ドイツ大会の公式球に由来する。スポーツの祭典とストリートカルチャーを接続するコラボレーションとして、両ブランドのファン層に広く訴求する内容になっている。
BAPEは1993年に東京・原宿で NIGO によって創設されたブランドで、迷彩柄「BAPE CAMO」やサメの口をモチーフにした「BAPE STA」など、独自のビジュアル言語を長年にわたって積み上げてきた。一方のadidasは1949年創業のドイツブランドで、サッカーウェアの分野では長い歴史を持ち、ワールドカップとの関わりも深い。今回のコラボでは、両ブランドのアイコンが組み合わさったアパレルとフットウェアが展開されるとみられ、BAPEのカモ柄とadidasの三本線が融合したデザインが軸になっている。
「Teamgeist」というキーワードが持つ歴史的な重み
adidasにとってTeamgeistという名称は単なるコレクション名ではない。2006年のFIFAワールドカップドイツ大会では、この名を冠した公式試合球が使用され、その革新的な縫製構造が当時のサッカー界で大きく話題になった経緯がある。以来、この言葉はadidasとワールドカップの結びつきを象徴するものとして、サッカーファンの間に根付いている。2026年大会はアメリカ・カナダ・メキシコの3カ国共催という史上初めての形式で開催されており、スケールの大きさに合わせてコラボレーションの注目度も高い。BAPEのようなストリートブランドをパートナーに迎えた点は、若い世代のサッカー視聴者やスニーカーコレクターを取り込む狙いと一致する。
BAPEとadidasのコラボが持つ市場での実績
両ブランドの共同作業は今回が初めてではない。過去にもBAPEとadidasはスニーカーやアパレルの分野で複数回にわたってコレクションを手がけており、リリースのたびに二次流通市場での値上がりが記録されてきた。特にBAPE STA系のシルエットにadidasのデザイン要素を加えたモデルは、スニーカーコミュニティの間で安定した需要がある。今回のカプセルコレクションがフットウェア中心の構成なのかアパレル寄りなのか、現時点では詳細が明らかになっていないが、ワールドカップという世界規模のイベントに紐づいたリリースである点は、コレクターにとって注目に値する条件がそろっている。
日本市場での見通し
BAPEは日本発のブランドであり、国内のファン層は厚い。adidasとのコラボアイテムは日本のセレクトショップやBAPE直営店を通じて展開されるケースが多く、発売日当日に完売するケースが過去のコレクションでも繰り返されてきた。二次流通市場では、過去のBAPE×adidasコラボフットウェアがリテール価格の1.5倍から2倍前後で取引される傾向がある。ワールドカップという限定的なタイミングに紐づいたカプセルコレクションは、大会終了後に入手困難になる性質を持ち、希少性が価格を下支えする構造になりやすい。投資目線で見ると、初動での確保が最も合理的な選択肢になる。国内での入手競争は激しく、抽選販売への参加が現実的なルートになる。