クレヨンが光をテーマに新作を発表 ―― ジェムセッティングで”輝き”を再解釈

スイスの独立系高級時計メーカー・クレヨン(Krayon)から、光と輝きをモチーフにした新モデル「Anywhere Parhelion」が登場する。2026年7月14日の発表となるこの作品は、ブランドが得意とするカラーダイアルと宝石装飾の融合を新しい形で表現した一本だ。

クレヨンは2012年の創業から、カラーダイアルと複雑機構の組み合わせで知られてきた。ジュネーブを拠点にしながらも、既存の高級時計の枠にとらわれない発想で、若い世代を中心に支持を広げている。今回の「Anywhere Parhelion」という名称には、虹のような光を意味する天文現象「幻日」の概念が込められているとみられ、タイトルの"光の祝祭"という表現も光学現象への強いこだわりを示唆している。

ジェムセッティングが光学効果を強調

「Anywhere Parhelion」は従来のクレヨンの作品とは異なり、ダイアルやケースに宝石を配置することで光の屈折と反射を演出する設計になっている。クレヨンのジェムセッティング技術は、単なる装飾ではなく、光がどのように時計の表面を動くかを計算した結果のものだ。

宝石配置によって、光が当たる角度や時間帯によってダイアルの見え方が変わる仕掛けになっている可能性が高い。このアプローチは、時計愛好家の間で「光との対話」を重視するクレヨンらしい思想反映だ。従来のようなシンプルなカラーダイアルとは異なり、より立体的で複雑な光学体験を提供する方向性を示している。

光の現象からダイアルデザインへ

「Parhelion」という言葉の選択は、気象光学における実在現象に基づいている。幻日は特定の大気条件下で太陽の周囲に見られる光の幻像で、虹とも異なる独特の色彩を持つ。クレヨンがこの自然現象をダイアル表現に落とし込む際、単なる虹色のグラデーションではなく、より複雑な光の干渉と反射の原理を意識していることが想定される。

ジェムセッティングによる表現手法は、ダイアルに奥行きを与え、視点や光の入射角によって全く異なる印象を生み出す。クレヨン創設以来、カラーの多様性と視認性の両立を追求してきたブランドが、次のステップとして光そのものをマテリアルとしたわけだ。コレクターの目には毎回異なる表情を見せる時計として機能することになる。

日本市場での見通し

クレヨンの作品は日本国内で人気が高く、特にカラーダイアルのモデルは二次流通で定価の1.5倍前後の価格で取引されることが珍しくない。「Anywhere Parhelion」のようにジェムセッティングが施される作品であれば、初回生産数が限定されることもあり、入手難易度は相当高くなると見込まれる。

国内正規店での販売は限定的となる可能性があり、早期に購入することは困難なケースが想定される。投資目線では、希少性の高いカラーモデルやジェムセット仕様のクレヨン作品は、長期的に価値を保つ傾向が明確だ。日本市場では特にスイス時計への関心が高く、独立系ブランドながらブランド認知が進んでいるため、流通量が限定されたモデルほど資産性も高まる。二次市場での価格上昇を見込むコレクターの需要は確実に存在する。