Travis ScottとNikeが再び動いた——Phantom 6 Lowの登場

Travis ScottとNikeのコラボレーションは、2019年のAir Force 1やAir Jordan 1といったモデルから始まり、ストリートとラグジュアリーの境界を曖昧にしてきた長期的なパートナーシップだ。今回オフィシャルにランディングしたのは、Nike Phantom 6 Lowをベースにした「Cactus Jack」パックで、Travisの主宰するレーベル名を冠している。Phantom 6はもともとサッカー用パフォーマンスシューズのラインであり、アスレチック由来のシルエットをストリートに落とし込んだ点がこのコラボの特徴となっている。

Cactus Jackパックが持つストリートとスポーツの接点

Nike Phantomシリーズはフットボールフィールドでの機能性を起点に設計されたラインで、低重心のアウトソールとスリムなプロファイルを持つ。そのローカットモデルをTravis Scottが手がけることで、Cactus Jackのトレードマークであるリバーススウッシュや土着的なテクスチャー使いが加わる形が定番となってきた。パック形式でのリリースは複数カラーウェイを束ねるやり方で、コレクターにとっては一度に複数の選択肢が生まれることを意味する。過去のTravis Scottパックでは、各カラーが異なる流通ルートで展開されたケースも多く、入手戦略が複雑になりやすい。

Travis ScottコラボがNikeにもたらしてきた市場的な位置づけ

Travis Scottは音楽アーティストとしての知名度だけでなく、McDonald'sやPlayStation、Diorsとの共同プロジェクトを通じてブランドとしての独立した価値を築いてきた人物だ。Nikeとのコラボにおいては、Air Max 1やAir Trainer 1など複数のモデルに渡って継続的にリリースを重ねており、単発のコラボではなく継続的なクリエイティブ関係として機能している。Phantom 6 Lowという比較的新しいシルエットへの参入は、既存のコレクターベースに加えて、サッカーカルチャーとの接続という新しい文脈を生んでいる。

日本市場での見通し

国内においてTravis Scott x Nikeのコラボモデルは、発売直後から二次流通価格が定価の2倍から3倍前後に跳ね上がる傾向が定着している。Nike SNKRSアプリでの国内抽選は応募数が多く、当選確率は一般的なNikeコラボと比較してもかなり低い水準で推移する。仮にパック内に複数カラーが含まれる場合、人気の集中するカラーウェイとそうでないカラーとで流通価格に差が生じるため、どのカラーを狙うかで投資としての結果が変わってくる。メルカリやスニーカーダンクといった国内プラットフォームでの価格動向を発売直後から追うことが、適正な価格判断の基準になる。長期保有を前提にした場合、Travis ScottとNikeの関係が続く限り、過去作のバリューも維持される傾向にあることは、コレクション構築の参考になる。