Roger Dubuis Excalibur Biretrograde Calendar、複雑な暦機構を備えた新モデル登場
スイスの独立系高級時計メーカー、ロジェ・デュブイから新たなExcaliburコレクションのバリエーションが発表された。Excalibur Biretrograde Calendarは、同ブランドが得意とする複雑機構とスポーツウォッチの洗練されたデザインを融合させたピースである。型番RDDBEX1209は、これまでのExcaliburシリーズの流れを引き継ぎながら、新しい視点から実用性を高めた試みとなっている。
暦表示における独特のアプローチ
Biretrograde Calendarという名称が示す通り、このモデルは日付表示にレトログラード機構を採用している。ロジェ・デュブイは複雑時計の製造で定評があり、特にトゥールビヨンやスケルトン加工などの高度な技術を得意としてきた。今回の新作は、そうした伝統の延長線上で、視認性と機械的な美しさの両立を目指した構成だ。レトログラードの針が円弧を描きながら日付を表示する仕組みは、単なる機能ではなく、ムーブメント全体の魅力を引き出す装置として機能する。
ロジェ・デュブイのExcaliburラインは、1990年代からスポーティで現代的なラウンドケースを特徴としてきた。そのシルエットは丸みを帯びた三次元形状で、ラグの部分にも優雅な曲線が施されている。Biretrograde Calendarモデルもこの伝統的なケースプロポーションを踏襲しながら、文字盤に新しい要素を加えている。複数のサブダイアルと日付表示の共存は、設計上のチャレンジであり、それを解決した結果がこのモデルになったわけだ。
機械式時計ユーザーにとっての価値
複雑機構を搭載した機械式時計は、毎日の生活で時間を知るためのツールという役割を超えている。Excalibur Biretrograde Calendarは、月の日数が異なることを自動的に認識する機構を備えている可能性が高く、こうした自動調整は時計職人の技術と知識の結晶である。ロジェ・デュブイはジュネーブを拠点に、こうした高度な時計製造を継続しており、独立系メーカーとしての立場を保ちながら革新を続けている。
スポーツウォッチのカテゴリーにおいて、複雑機構を搭載したピースは限定的である。防水性能とムーブメントの耐久性、そして視認性を両立させることは容易ではない。Excalibur Biretrograde Calendarは、こうした課題に正面から取り組んだ設計となっており、日常的に着用しながら複雑機構の動作を楽しむという使い方が前提になっている。
日本市場での見通し
日本国内においてロジェ・デュブイは、他のスイス高級ブランドと比べると流通量が限定的である。独立系メーカーゆえに生産本数が抑えられており、Excalibur Biretrograde Calendarのような新作も入手難易度が高くなる傾向にある。正規代理店からの購入は事前予約や待機リストを経由することが一般的で、国内の定価に基づく二次流通価格は500万円前後で推移する可能性が高い。
投資目線では、ロジェ・デュブイの複雑ウォッチはコレクターの間で安定した需要がある。複雑機構を備えたスポーツウォッチの供給は業界全体で限定的であり、特にレトログラード機構を多機能に統合したモデルは市場で高く評価される傾向にある。新作発表から数年を経た後の相場形成も注視する価値がある。