1977年生まれのワッフルソールが、ブラック×フィルバートで現代に戻ってくる
ナイキのアーカイブを掘れば掘るほど、見逃されてきた名作が出てくる。ワッフル レーサーもその一つだ。1977年にランニングシューズとして登場したこのモデルは、創業者ビル・バウワーマンがワッフルアイロンからヒントを得て開発した独自のアウトソールを搭載し、当時のランナーたちに支持された。今回のSEは、そのオリジナルのシルエットを踏襲しながら、ブラックとフィルバートという落ち着いた2色の組み合わせでアップデートされた一足だ。フィルバートはヘーゼルナッツを指す英語で、茶系の中でも赤みを帯びたニュアンスカラーに近い。派手さより深みを選んだカラーリングといえる。
ワッフルソールという、シンプルだが確かな遺産
ワッフル レーサーの最大の特徴は、格子状に並んだワッフルパターンのアウトソールにある。バウワーマンがオレゴン大学のコーチを務めていた時代に思いついたとされるこのソール構造は、軽量でありながらグリップ力を確保するという機能的な発想から生まれた。1970年代のナイキはまだブランドとして成長の途上にあり、このワッフルソールはその黎明期を象徴するテクノロジーの一つとして記録されている。現代のSEバージョンでもこのアウトソールのデザインは継承されており、レトロランニングとしてのアイデンティティを損なわない作りになっている。アッパー素材や細部の仕様については現時点で公式から詳細が出ていないため、実機での確認が必要な部分もある。
SEという位置付けが意味するもの
ナイキのラインナップにおいて「SE」はスペシャルエディションを指し、オリジナルのデザインに対して素材・カラー・ディテールのいずれかで変化を加えたバリエーションを指す。今回のブラック/フィルバートという配色は、ワッフル レーサーが過去にリリースしてきたホワイトベースやアースカラー系とは異なるトーンで、よりスタイリングに溶け込みやすい選択といえる。2020年代に入ってからナイキはワッフル レーサーを複数回復刻しており、コレクター市場でも一定の認知を得てきた。今回の2026年6月13日付けのヘッドラインが示す通り、このタイミングでのSEリリースはその流れの延長線上にある。
日本市場での見通し
ナイキのレトロランニングカテゴリは、日本国内でも安定した需要がある。ワッフル レーサーはエアマックスやダンクほどの二次流通価格の高騰は見られないモデルで、過去の復刻版は定価近辺から多少のプレミアムにとどまるケースが多かった。国内のスニーカーショップやナイキ公式サイト、SNKRSアプリでのリリースが主な入手経路になる。今回のブラック/フィルバートという配色は汎用性が高く、スニーカー愛好家よりも日常使いを求める層にも響きやすい。投資目線で見れば値上がり幅は大きくないが、入手直後に定価を大きく下回ることも少なく、手堅いアイテムとして国内の中古市場では安定した値動きをする傾向にある。価格が気になる人は国内正規店での定価販売を狙うのが現実的な選択だ。