スウォッチ(Swatch)とオーデマ・ピゲ(Audemars Piguet)のコラボレーションが生み出した旋風が、予想外の領域にまで波及している。昨年話題となったこのコラボ商品は、時計本体だけでなく、付属のランヤード(携帯ストラップ)までもが転売市場で高騰している異常事態が発生しているという。本来は数千円程度とみられるアクセサリーが、数万円の値がつく事例も報告されており、スニーカーやアパレルと同様のハイプ現象(Hype)が高級時計の周辺グッズにまで拡大した格好だ。
ランヤードまでが転売対象に
通常、時計に付属するランヤードは機能的なアクセサリーに過ぎず、買い手にとって大きな価値はない。しかし限定版(Limited Edition)の本体入手が困難になるにつれ、ユーザーはランヤード単体での取引に目をつけた。転売プラットフォームでは、純正品を求めるコレクターからの需要が膨らみ、入手難度と希少性によって価格が吊り上がる現象が起きている。スニーカーの靴紐やストリートファッションのアクセサリーが投機対象になるのと同じメカニズムが、ここでも作動している。
高級時計市場のハイプ化が進む
かつて高級時計は盤石な資産価値で知られてきたが、近年はストリートカルチャーの流入により性質が変わりつつある。スウォッチ×オーデマ・ピゲのコラボは、廉価と高級の融合により爆発的な人気を獲得し、ファッション性を重視する若年層の参入を加速させた。その結果、従来の時計愛好家とは異なる購買層が市場に殺到し、投機的な取引が加速している状況だ。本来の価値とは乖離した相場形成は、市場の健全性にも関わる問題として認識され始めている。
この現象は、ラグジュアリー商品におけるストリートマインド(Street Mind)の浸透を象徴している。
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