パテントレザーという素材がダンク ローにもたらすもの

ナイキ ダンク ローのパテントレザーシリーズに、「ピンク ライズ」カラーが加わった。パテントレザー、いわゆるエナメル素材は光沢感が際立ち、同じシルエットでも通常のレザーやスエード素材とはまったく異なる表情を持つ。ダンク ローはもともと1985年にバスケットボールシューズとして誕生し、その後スケートカルチャーやストリートシーンに根付いたモデルだが、エナメル素材を採用することでドレッシーな要素が加わり、着こなしの幅が広がる。コレクターにとっては同一モデルの素材違いを揃える楽しみにもなっており、パテントレザーシリーズ自体がひとつの軸として機能しはじめている。

「ピンク ライズ」というカラーリングの立ち位置

ピンク ライズというカラー名が示すとおり、このモデルはピンク系のトーンをメインに据えている。ナイキはダンク ローにおいてピンク系カラーをこれまでも複数展開してきた実績があり、特に女性コレクターや若い世代からの支持が厚いカラーゾーンだ。パテントレザーの光沢とピンク系カラーの組み合わせは視覚的なインパクトが強く、スニーカーとしての主張がはっきりしている。コーディネートの中心に据えやすい一方、合わせる服を選ぶ場面もある。ストリートファッション界隈ではあえて色味の強いシューズをコーデのアクセントにする手法が定着しており、このモデルはそうした使い方にフィットする一足といえる。

パテントレザーシリーズが積み上げてきた流れ

ナイキがダンク ローでパテントレザーを繰り返し取り上げているのは、素材のバリエーションがコレクター需要を継続的に喚起するからだ。ダンク ローは2000年代にSBラインとして再評価され、2020年前後のリバイバルブームで再びスニーカー市場の中心に躍り出た。そのブームが一段落した後も、素材・カラー・コラボレーションという三つの軸で話題を供給し続けている。パテントレザーはそのなかでも素材軸の代表格であり、シリーズとして認識されることで個々のカラーウェイにも注目が集まりやすい構造になっている。「ピンク ライズ」はそのシリーズの最新の一手という位置づけだ。

日本市場での見通し

国内スニーカー市場において、パテントレザー素材のダンク ローはオリジナルカラーウェイと比べると流通量が絞られる傾向があり、発売直後のスニーカーショップ店頭やナイキ公式アプリでの抽選倍率は高めに推移する。二次流通市場では、パテントレザーシリーズのダンク ローは定価を2割から4割程度上回る価格帯で取引されるケースが多く、特にピンク系カラーは女性需要が加わることで価格の下支えが効きやすい。投資目線で見ると、ダンク ローは2022年以降の市場調整で一部カラーウェイの二次流通価格が下落した経緯もあるため、短期転売より中長期保有のほうが安定したリターンを得やすい局面にある。コレクターとして手元に置くなら、素材の経年変化に注意しつつ保管環境を整えることが前提になる。