インディペンデント時計の復帰
IAMWATCHがシーンに戻ってくる。独立系時計ブランドの動向に注視する層なら、このニュースは見逃せない。かつてインディペンデント・ウォッチメイキングの可能性を示したブランドが、再び活動を開始することになった。時計愛好家の間では既に情報が広がり、特にアンダーグラウンドなコミュニティではこのカムバックを歓迎する声が聞こえている。
IAMWATCHはインディペンデント・ウォッチブランドのカテゴリーで、既製品の枠にとらわれない時計製作を標榜してきた。大手メゾンのような大量生産の仕組みとは距離を置き、職人の手による製造工程や、個性的なデザインアプローチで知られている。こうしたブランドは欧米のコレクター層から高い評価を受けており、日本国内でも20代から40代の投資マインドを持つ購買層が注目する分野となっている。
独立系ウォッチシーンの位置づけ
インディペンデント・ウォッチメイキングは、スイスの伝統的な時計産業とは別系統の発展を遂げてきた。既存メーカーの常識に捉われず、限定生産や実験的なムーブメント選定、ケースデザインを推し進めるブランドが集積している。時計産業全体がQOQ(四半期ごと)の売上目標に支配されるのに対し、独立系は製作ペースや品質基準を自分たちで決定できる点が特徴だ。こうした自由度が、コレクターの間で「本物の時計作り」として受け取られている。
IAMWATCHの再始動は、このセグメントの需要がまだ途切れていないことを示唆している。ストリートファッションの領域では、大衆向けブランドよりもマニア向けの小規模ブランドへの関心が高まっており、時計シーンでも同じトレンドが見られている。特にNFTやメタバースの一時的な熱狂が冷め、実物資産としての時計へのリターンが起きている環境下での再開は、タイミングとして適切だと判断できる。
投資視点からのポジショニング
インディペンデント・ウォッチブランドの流動性は、高級時計全体の中ではまだ限定的だ。ロレックスやオメガのような大手の時計に比べると、二次市場での価格形成が緩やかであり、急激な相場上昇は期待しづらい。しかしスニーカーのコレクターシーンで限定モデルが高騰するように、時計でも「世界で500本のみ」といった条件付きリリースであれば、数年後の買値と売値に差が生まれることがある。IAMWATCHの製作哲学がどの程度の限定性を保つのか、その点が今後の価値形成を左右する要素になる。
日本市場での見通し
国内でインディペンデント・ウォッチを扱う販売ルートは、大都市の限定的なセレクトショップと海外オンラインストアに限られている。日本でIAMWATCHが正規販売されるならば、初期段階での入手難易度は高くなる。既に海外での二次流通相場が形成されているモデルであれば、日本での相場は為替レート+国内流通マージンの20から30パーセントを上乗せした金額帯で推移する傾向にある。投資目線では、ブランドの製作数と販売戦略が明確になるまで、様子見するコレクターが大半だろう。ただしストリートファッションシーンでのアクセサリー需要が高まり、ハイエンドスニーカーとの相乗効果による認知が進めば、3年から5年スパンで新規購買層が厚くなる可能性は存在している。