“What The”という手法が持つ意味

ナイキが今年のホリデーシーズンに向けて、「What The LA」と名付けられたエア フォース 1を復刻する。「What The」とは、複数のカラーウェイやデザイン要素を一足の中に詰め込むナイキ独自のアプローチで、左右非対称なパネルや異なるカラーブロッキングが特徴だ。このコンセプトは2007年のダンク「What The Dunk」あたりから広く知られるようになり、以降はエア フォース 1やKD、LeBronなど複数のラインに展開されてきた経緯がある。コレクター心をくすぐる「ごった煮」感が、熱狂的なファン層を生み出してきた手法といえる。

ロサンゼルスという都市とエア フォース 1の接点

「LA」という地名がこのモデルに冠されているのは、エア フォース 1とロサンゼルスの長い関係性を背景にしている。エア フォース 1は1982年にナイキ初のバスケットボール用エアクッションシューズとして誕生したが、その後ストリートカルチャーに深く根を下ろしたのはイーストコーストだけでなく、ウエストコーストのシーンでも同様だった。LAのストリートやヒップホップシーンとのつながりは長く、ロサンゼルス固有のカルチャーをモチーフにしたスペシャルエディションは過去にも複数リリースされている。「What The LA」はその流れに位置する一足だ。

ホリデーシーズンという販売タイミングの狙い

ナイキがこのモデルをホリデーシーズンに合わせてリリースするのは、年末商戦期の購買需要とギフト需要を意識した戦略だ。毎年11月から12月にかけてのホリデー期間は、スニーカー市場でも高額・限定モデルの販売が集中する時期で、コレクターが財布の紐を緩めやすい。「What The」シリーズは視覚的なインパクトが強く、プレゼント需要にも乗りやすいモデルでもある。ナイキはNIKEアプリやSNKRSアプリを通じた抽選販売を主な販売チャネルとして活用しており、今回のリリースもそのフローに沿った形になるとみておくのが自然な見方だ。

日本市場での見通し

日本国内でこのモデルが正規販売される場合、SNKRSアプリやナイキ公式サイトでの抽選が主な入手経路となる。「What The」シリーズはデザインのユニークさから転売市場でも注目を集めやすく、過去の「What The」系エア フォース 1は国内二次流通市場で定価の1.5倍から2倍前後の価格帯で取引されるケースが多い。StockXやメルカリ、Yeezyマートなど国内外のリセールプラットフォームでの相場形成は発売直後に急上昇し、その後落ち着く傾向が強い。投資目線で見れば短期の値上がり益は狙えるものの、「What The」シリーズは供給量によって相場の振れ幅が大きくなりやすいため、長期保有よりも発売直後の流動性を活かした売り抜けが主流の動き方になる。純粋なコレクターにとっては、LAというテーマとモザイク状のデザインが長期的な保存価値を持つ一足になる。